矯正レンズの装用で屈折異常から正視状態に
屈折異常(近視・遠視・乱視)による視力低下については、屈折矯正レンズを用いることで見えやすい状態にしていきます。
目が見えるというのは、外から入ってくる光が角膜や水晶体を通過する際に屈折し、それが網膜上で結ばれる(焦点が合う)ことで、はっきり見えている状態になります。これを正視と言います。
近視は眼軸長や長いことや、角膜や水晶体の屈折力が強いことで、網膜よりも前方に焦点が合ってしまい、遠方の物を見ようとするとぼやけて見えるという状態です。また、遠視は眼軸長が短いことや、角膜や水晶体の屈折力が小さいことにで、網膜よりも後方に焦点が合った状態です。遠視は、近くの物を見る際も遠くの物を見る際も調節力が必要となるため、無調節であればどこにも焦点があわない、つまり遠くも近くもぼやけて見えます。目の焦点が合うように調節力を働きすぎると眼精疲労などの症状が出現することがあります。乱視は、角膜の曲面が歪んでいることで、焦点が網膜上で1点に集まらないため、物が二重に見える、ぼやけて見えるなどの状態となります。これらの屈折異常を矯正し見やすい状態とするために、眼鏡やコンタクトレンズによる屈折矯正を行います。
処方に関して
眼鏡あるいはコンタクトレンズの処方を行うにあたっては、視力低下の原因が屈折異常なのか、それとも何らかの病気によるものなのかを特定させるための検査を行います。その結果、眼の病気によるものでなく、屈折異常が原因であることが判明すれば、眼鏡やコンタクトレンズを合わせるために矯正レンズを用いた視力検査を行います。検査終了後は眼鏡・コンタクトレンズ用の処方箋をお渡ししますので、販売店において眼鏡・コンタクトレンズを購入する際にご持参ください。
眼鏡処方について
眼鏡の処方にあたっては、年齢や日常生活・仕事などの眼鏡使用時の状況を考慮し検眼テストを行うため、検査に時間がかかることがあります。また、現在使用されている眼鏡がありましたら、必ずご持参ください。
コンタクトレンズ処方について
コンタクトレンズ処方を希望される方は以下の項目についてご確認ください。
- 当院ではコンタクトレンズの処方箋発行に対応していますが、取り扱いのないコンタクトレンズについては処方箋の発行はできません。
- 取り扱うコンタクトレンズの種類についてはこちらをご覧ください。
- 希望されるコンタクトレンズの種類や近視、遠視、乱視の状態によっては適切なテストレンズが当院にない場合があります。その場合、取り寄せたのちに後日装用テストを行わせていただきます。
事前にお問い合わせいただくか、使用されているコンタクトレンズ(製品名や度数がわかるもの)を持参しご来院いただくようお願いいたします。 - コンタクトレンズの処方に関して、眼の検査、視力検査、レンズの選定、フィッティング確認、装用練習等で60分以上かかる場合があります。特に、コンタクトレンズが初めての方は、装用練習時間は眼の負担を考慮し30分までとしております。時間内に習得できない場合は後日改めて受診をお願いいたします。
- 小学生・中学生・高校生は、保護者の方とご一緒に受診してください。使用用途によっては処方をお断りすることがあります。
- コンタクトレンズを希望される方で眼鏡を持っていない場合は、眼鏡の作成を優先させていただきます。
- コンタクトレンズを初めて使用される方は、レンズの取り扱いに慣れが必要なため1dayタイプのソフトコンタクトレンズを1ヵ月分のみ処方させていただきます。
- ハードコンタクトレンズを処方希望の方は、コンタクトレンズ使用によって検査データが変動することがありますので、受診される1週間前から使用を中止して来院してください。
- 院内の診察状況によっては、コンタクトレンズの選定や装用練習の時間を十分に取ることができないことがあります。その場合は後日改めて受診をお願いいたします。
- コンタクトレンズは「高度管理医療機器」であり、処方にあたり必ず眼科医の診察が必要です。定期的な診察をうけなかったり、間違った使い方をした場合、目に病気が生じ視力低下を来したり、最悪の場合失明に至ることもあります。装用方法やコンタクトレンズのメンテナンスについては、必ず医師の指示に従うようにしてください。